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HubSpotの認定パートナーとは何か。2026年の制度変更と発注前の確認点。

HubSpotの導入を外部に頼もうとすると、候補各社の資料には高い確率で「HubSpot認定パートナー」という一文が登場します。ところが制度をよく見ると、「認定パートナー」という単一の資格は存在しません。あるのは、プログラムへの「参加」、販売実績で決まる「ティア」、専門領域ごとの「アクレディテーション」、そして担当者個人に紐づく「認定資格」という、性質の異なる複数の階層です。しかも2026年、この制度の土台そのものが大きく変わりました。

パートナーを「どう選ぶか」という適合度の話は、別稿「HubSpot 導入支援パートナーの選び方」で5つの判断軸として整理しています。本稿はその手前、提案書の「認定パートナー」という言葉と、その背後にある制度そのものをどう読むかに絞ります。本稿では、発注側が制度を正しく読めるだけの事実を、HubSpot公式の情報だけを根拠に並べます。本稿の制度内容はすべて2026年8月18日時点の公式ページに基づきます。

〔関連資料〕発注前に固めておきたい体制・費用の論点は、「HubSpot導入プロジェクト計画テンプレート。費用・期間・体制を着手前に固める」もあわせてご活用いただけます。

2026年のパートナー制度で変わったこと

まず、2026年に何が起きたのかを時系列で押さえます。

第一に、参加形態の統合です。HubSpotのパートナー制度には従来、Solutions Partnerより軽い参加形態として「Solutions Provider」がありました。このProviderプログラムは2026年2月25日に新規受付を終了し、2026年8月15日までにSolutions Partnerプログラムへ移行しなかったProviderはプログラムから退会となりました。参加の入り口はSolutions Partner一本に統合されています(参照:HubSpot「Solutions Partner向け 2026年版 参加およびティアポリシー」(2026年8月時点))。

第二に、参加の課金制です。2026年7月15日以降、プログラムへの参加には月額48,000円(またはHubSpotが定める為替レートに基づく現地通貨相当額)のメンバーシップが必要になりました。正味サブスクリプション料金が月額48,000円以上のパートナーは免除されます。つまり、パートナー自身が相応のHubSpot契約を持っているか、参加費を払っているかのいずれかです。なお、グローバル向けのパートナー募集ページでは参加費用は月額400ドルからと案内されています(参照:HubSpot「Solutions Partner Program」(2026年8月時点))。

第三に、参加を維持する要件です。2027年1月1日以降、ティア未取得のSolutions Partnerは、直近12か月間で最低1ポイントのSourcedポイント(販売実績に基づく最低要件として設定されているポイント)が求められ、満たさない場合は月次のコンプライアンス審査の後にプログラムから退会となります。(参照:HubSpot「Solutions Partner向け 2026年版 参加およびティアポリシー」(2026年8月時点)

この3点をまとめると、2026年の変更は「名乗るだけのパートナー」を制度から外していく方向です。発注側にとっては、「パートナーです」という看板の裏に、参加費または自社契約と、販売実績という具体的なコミットメントが伴うようになったと読めます。裏を返せば、看板の信頼性は上がる一方で、後述するとおり、看板が測っているのはあくまでHubSpotとの取引実績だという点は変わっていません。

ティアが意味するもの、意味しないもの

Solutions PartnerにはGold、Platinum、Diamond、Eliteという4つのティアがあり、公式ディレクトリでもティアでの絞り込みができます(参照:HubSpot「Solutions Partnerディレクトリ」(2026年8月時点))。日本語の営業資料で「Platinumパートナー」などと大きく書かれるのは、このティアのことです。

ティアの読み方で押さえておきたいのは、その決まり方です。前述のとおり、プログラムの維持要件はSourcedポイント、すなわちパートナーが創出した案件の販売実績で測られます。ティアの昇格は月次で、降格は年2回という運用も従来から継続しています(参照:HubSpot「Solutions Partner向け 2026年版 参加およびティアポリシー」(2026年8月時点))。つまりティアの認定は主にHubSpotとの取引実績に基づく仕組みで、個別案件の成果を保証する指標ではありません(弊社の理解に基づく整理です)。

ここから言えることは単純で、ティアは「HubSpotとの取引規模」のシグナルであって、「発注した案件がうまくいくか」の指標ではないということです。上位ティアの大手でも担当者次第で品質は変わりますし、Goldの小規模パートナーが特定業界に深い知見を持つこともあります。ティアを足切りの参考に使うのは構いませんが、最終判断の主軸には置けません。この点の掘り下げと、代わりに何で判断するかは、前掲の選び方の記事に譲ります。

ティアとアクレディテーションの違い

ティアと混同されやすいのが「アクレディテーション」です。両者は別物で、発注側にとって実務的に意味が大きいのはむしろ後者です。

アクレディテーションは、特定の業務領域について、実績と審査に基づいてパートナー企業に付与される専門性の証明です。公式ディレクトリでは現在、次の6種類で絞り込みができます(参照:HubSpot「Solutions Partnerディレクトリ」(2026年8月時点))。

  • CRM Implementation(大規模で複雑なHubSpot実装)
  • Onboarding(Marketing Hub・Sales HubのProfessional/Enterprise版オンボーディング)
  • Platform Enablement(ユーザー定着の支援)
  • Custom Integration(個別要件に基づくカスタム連携)
  • Data Migration(レガシー環境からのデータ移行)
  • Solutions Architecture Design(プラットフォーム全体のソリューション設計)

ティアとの違いは、取得のハードルの中身にあります。たとえばOnboarding Accreditationの申請には、Platinum以上のティアであることに加え、フルタイム従業員3名以上、過去12か月以内のオンボーディングプロジェクト完了実績、そして顧客リファレンス(顧客側が期限内にフィードバックを提出する審査プロセス)が求められます(参照:HubSpot「Onboarding Accreditation」(2026年8月時点))。販売実績のポイントだけでは取れず、該当領域の実案件と顧客の証言が要る設計です。

発注側の読み方としては、ティアは「規模」、アクレディテーションは「領域ごとの実証された専門性」と分けて見るのが正確です。データ移行が重い案件ならData Migration、複数システム連携が肝ならCustom Integrationというように、自社案件の難所とアクレディテーションの領域を突き合わせる使い方ができます。ただし、弊社がディレクトリや商談の現場で見る限り、取得社数はまだ多くありません。未取得でも該当領域に十分な実績を持つ会社はあります。「あれば強い加点、なければ実績を個別に確認する」という位置づけが実務的です。

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発注前に確認しておきたいこと

制度の事実を踏まえると、相見積もりの前後で確認すべきことは4つに絞れます。

公式ディレクトリに掲載されているか

「HubSpot認定パートナー」と名乗る会社が、現在もプログラムに参加しているかは、公式のSolutions Partnerディレクトリで確認できます。2026年8月15日のProvider退出と参加課金制への移行を経て、過去に参加していた企業が現在は掲載されていないケースも起こり得ます。自社サイトの記載ではなく、公式ディレクトリの現在の掲載を見るのが確実です。掲載ページではティア、アクレディテーション、レビューもあわせて確認できます。

ティアではなくアクレディテーションと実績を見る

前述のとおり、ティアは取引規模、アクレディテーションは領域ごとの専門性の証明です。提案書のティア表記だけで安心せず、自社案件の難所に対応する裏づけを確認します。Respectifyの実務でも、相見積もりで差が出るのは肩書ではなく初回ヒアリングの中身だと感じています。既存データの汚れ具合や取引ステージの定義に最初の打ち合わせから踏み込んでくるか、それとも機能デモに終始するか。ここが、導入後の定着まで見据えているかどうかの分かれ目になりやすい観察点です。

オンボーディング免除を活用し、二重払いを避ける

HubSpotのProfessional・Enterprise契約には、HubSpot社に直接支払う必須のオンボーディング料金が組み込まれています。たとえばMarketing Hub Professionalで3,000ドル、Enterpriseで7,000ドルです(参照:HubSpot「Product and Services Catalog」(2026年8月時点))。一方、Solutions Partnerには、クライアント1社あたり最大6,000ドルまでこの導入支援料金の免除を受けられる特典があります(参照:HubSpot「Solutions Partner Program」(2026年8月時点))。

つまりパートナー経由で導入する場合、公式オンボーディング料金が免除され、同じ予算をデータ移行や連携などの実装工数に振り向けられる可能性があります。見積もりを比較する際は、「公式オンボーディング料金は免除される前提か」「パートナーのオンボーディング費用と公式料金を二重に払う構成になっていないか」を明示的に確認してください。日本の円建てでの必須オンボーディング実額を含む費用の全体像は、別稿「HubSpot導入の費用」で3層に分けて整理しています。

パートナーの収益構造を理解して提案を読む

グローバルのプログラム説明では、GoldからEliteのパートナーは自社で創出した案件に対して最大3年間、20%のコミッションを受け取ると案内されています(参照:HubSpot「Solutions Partner Program」(2026年8月時点))。個別のパートナーに適用される契約条件までは外部から分かりませんが、構造として、パートナーの収益にはライセンス紹介の報酬とサービス提供の対価の2系統があり得ることは知っておく価値があります。

コミッション自体は制度として公開された健全な仕組みです。ただ、この構造を知っていれば、提案の読み方が変わります。上位エディションや広いHub構成を勧められたとき、それが自社の課題から積み上がった提案なのか、確認する問いを立てられるからです。「このエディションでなければ実現できない要件はどれか」「Starterや現行構成で始めて、どの時点で何が詰まるか」と聞いたときの答えの具体性が、判断材料になります。

まとめ

  • 2026年、HubSpotのパートナー制度は大きく変わりました。Providerプログラムは2026年2月25日に新規終了、未移行のProviderは2026年8月15日に退出となり、参加はSolutions Partner一本に統合。2026年7月15日以降は月額48,000円のメンバーシップ(正味サブスクリプション月額48,000円以上は免除)が必要になり、2027年1月1日以降はティア未取得パートナーに直近12か月で最低1 Sourcedポイントの維持要件が課されます(いずれも2026年8月18日時点の公式情報)。
  • ティア(Gold/Platinum/Diamond/Elite)の認定は主にHubSpotとの取引実績に基づく仕組みで、個別案件の成果を保証する指標ではありません。昇格は月次、降格は年2回という運用は従来から継続しています。
  • ティアとアクレディテーションは別物です。アクレディテーションは6領域あり、たとえばOnboarding Accreditationにはフルタイム従業員3名以上や顧客リファレンスを含む審査があります。発注側にとって実務的な情報量が多いのはこちらです。
  • 発注前の確認点は4つ。公式ディレクトリの現在の掲載、ティアではなくアクレディテーションと実績、オンボーディング免除の活用と二重払いの回避、そしてパートナーの収益構造を踏まえた提案の読み方です。

制度は今後も変わり得ます。本稿の内容は2026年8月18日時点の公式ページに基づくため、契約前には必ず最新の公式情報と各社の提案書をご確認ください。Respectifyでは、HubSpotの導入と定着の支援を、免除制度の活用を含めた費用設計から一緒に組み立てています。認定パートナーを起用する場合も自社導入を進める場合も、発注前に費用・期間・体制を固める工程は避けて通れません。「HubSpot導入プロジェクト計画テンプレート。費用・期間・体制を着手前に固める」も、計画づくりの参考にしていただけます。

相見積もりの読み方や自社に合う構成の整理からで構いませんので、迷いがあれば無料相談へお寄せください。

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