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MAツール比較。BtoB中堅・少人数におすすめの選び方と代表7製品。

MAツール比較。BtoB中堅・少人数におすすめの選び方と代表7製品。

MAツールを比較しようと検索すると、十数製品の機能表が並び、どれも「BtoBに最適」と書いてあって、かえって選べなくなる。よくある状況だと思います。本稿は製品の多機能さを比べる記事ではありません。マーケティング担当が1〜2名という日本のBtoB中堅・少人数企業が、自社で運用しきれる一台をどう選ぶかという視点で、代表的な7製品を公式情報をもとに客観的に整理します。先にお断りしておくと、Respectifyは後述するHubSpotの正規パートナーです。そのうえで本稿ではHubSpotを「選択肢の一つ」として並列に扱い、自社の体制と目的によって最適解が変わることを前提に書いています。

MAツールとは、CRM・SFAとどう違うのか

MAツールは、見込み客の獲得と育成を自動化する仕組みです。まず言葉を整理します。MA(マーケティングオートメーション)は、フォームやランディングページでのリード獲得、メール配信、Webの行動追跡、見込み度合いの点数付け(スコアリング)といった、商談の「手前」を担います。これに対してSFA(営業支援システム)は商談の進捗管理を、CRM(顧客管理システム)は顧客情報の蓄積を担います。リードを集めて温めるのがMA、温まったリードを商談にして追うのがSFA、その全体の顧客データを持つのがCRM、というおおまかな分担です。

実務では、この3つの境界は製品によってかなり曖昧です。CRMの中にMA機能を内包する統合型もあれば、MA専業でSFAとは外部連携でつなぐ製品もあります。だからこそ「MA単体でどれが優秀か」より、「自社のCRM・SFAとどうつながるか」で見るのが現実的です。MAそのものの基礎は別稿「MAとは何かをゼロから整理する」で詳しく扱うので、定義をもう少し丁寧に押さえたい場合はあわせてご覧ください。本稿は比較と選び方に絞ります。

MAツールの選び方。BtoB少人数が外さない観点

MAツールは、機能の多さではなく「運用できる体制があるか」で選ぶべきです。ここが本稿で最も伝えたい点です。多機能なツールを入れても、設定と運用に人手が割けなければ、機能の大半は眠ったまま費用だけが発生します。これは個社の問題ではなく、調査でも繰り返し示される構造で、別稿「ツールを増やす前に棚卸しから始める」で扱ったとおりです。少人数チームほど、最初に見るべきは次の観点です。

  • BtoBかBtoCか: BtoBは少数のリードを長期で育てる設計、BtoCは大量配信とセグメントが軸になります。製品ごとに得意な方向があります。
  • 運用体制と工数: 誰が設定し、誰が毎週回すのか。専任がいないなら、機能を絞った製品やサポート手厚い製品が現実的です。
  • CRM・SFA連携: すでにSalesforceなどを使っているなら、連携の強さが導入後の手間を左右します。
  • 機能の範囲: フォームとメールで足りるのか、スコアリングやWeb行動追跡まで使うのか。使わない機能の分まで払う必要はありません。
  • 価格モデル: 月額固定か、リスト件数や配信数で変動するか。リストが増えると費用が跳ねるモデルもあります。最新の価格は各社公式でご確認ください。
  • 日本語サポート: 外資製品は機能が豊富な一方、サポートやドキュメントの日本語対応に差があります。少人数ほどここが効きます。

この6つのうち、少人数チームが最初に妥協してはいけないのは「運用体制と工数」です。高機能な一台より、自社が毎週触り続けられる一台のほうが、結果的に成果につながります。

MAツール比較の観点を一覧で整理する

代表的な7製品を、区分・対象規模・特徴・価格の観点で並べると次のようになります。価格は変動が大きいため定性的な記載にとどめ、具体額は各公式でご確認ください。

製品区分対象特徴価格
HubSpot Marketing Hub外資・統合型小〜中CRM一体・インバウンド無料プランあり
Marketo Engage外資・大規模中〜大機能豊富・学習コスト高要問い合わせ
Account Engagement外資・SFA連携中〜大Salesforce連携・BtoB特化要問い合わせ
ActiveCampaign外資・SMB小〜中柔軟な自動化要確認
SATORI国産・匿名接点中小〜中匿名見込み客接点要問い合わせ
BowNow国産・スモール小〜中フリープラン・着手容易無料プランあり
List Finder国産・BtoB小〜中機能厳選・シンプル要問い合わせ

この表はあくまで全体像です。区分が「外資・統合型」だから優れている、国産だからサポートが手厚い、と単純化できるものではありません。次に各製品の客観的な事実と向き不向きを見ていきます。

代表的なMAツール7製品の特徴

7製品はそれぞれ設計思想が異なり、向く会社と向かない会社がはっきり分かれます。順に整理します。

HubSpot Marketing Hub(外資・統合型)

CRMを土台に、マーケティング・営業・カスタマーサポートを一つの基盤で扱う統合型です。MA機能はそのうちのマーケティング部分にあたり、無料プランから始められる点が特徴です(最新のプラン内容はHubSpot公式でご確認ください)。フォーム・メール・ブログ・Web解析が同じ管理画面でつながり、配信したメールが商談につながったかをCRM側で追えるため、計測の分断が起きにくい設計です。インバウンド(顧客に見つけてもらう発想)の考え方と相性がよく、コンテンツ起点でリードを育てたいBtoB企業に向きます。一方、機能を広く使うほど上位プランが必要になるため、使う範囲を見極めずに導入すると費用が膨らみます。なおRespectifyはHubSpotの正規パートナーであり、本稿でも自社が支援する製品として透明に記しておきます。

Adobe Marketo Engage(外資・大規模)

大規模BtoBマーケティングを想定した、機能の豊富さで知られる製品です。複雑なシナリオ設計や高度なスコアリング、アカウント単位のマーケティング(ABM)まで作り込めます。その反面、設計の自由度が高いぶん学習コストも高く、専任の運用担当や代理店の支援を前提とするケースが多い製品です。マーケティング部門に複数名を割ける中堅以上の企業で本領を発揮します。逆に1〜2名体制で導入すると、機能を使いきれず持て余す可能性が高い製品でもあります。

Salesforce Account Engagement(旧Pardot/外資・SFA連携)

Salesforceが提供するBtoB特化のMAで、旧称はPardotです。最大の強みは同社のSFA・CRMとの連携の深さで、すでにSalesforceで商談管理をしている企業なら、リード情報と商談情報をなめらかにつなげます(製品の位置づけはSalesforce公式を参照)。BtoBの長い検討プロセスを前提とした設計で、営業とマーケの連携を重視する企業に向きます。一方、Salesforce基盤を持たない企業がこの製品だけを単独で導入する利点は相対的に小さく、基盤の有無が選定の分かれ目になります。

ActiveCampaign(外資・SMB)

中小企業向けに、柔軟な自動化(オートメーション)を強みとする製品です。条件分岐を組み合わせたメールやタスクの自動化を、比較的手軽に設計できます。グローバルのレビューでは使い勝手の評価が高い製品として知られています。注意点は二つあり、一つはリスト件数(連絡先数)に応じて価格が上がるモデルのため、リストが増えると費用が読みにくくなること。もう一つは日本語のサポートやドキュメントが外資ぶん限定的な場合があることです。少人数で柔軟な自動化を試したい企業に向きますが、価格と日本語対応は事前確認をおすすめします。

SATORI(国産・匿名接点)

国産MAで、まだ個人情報を取得していない「匿名の見込み客」へのアプローチを得意とする点が特徴です。氏名やメールアドレスがわかる前の段階から、Webの行動をもとに接点を作れる設計になっています。SATORIの公表によれば、累計導入は2023年3月時点で1,500社を超えたとされ、新規導入ユーザーの約9割がMA未経験だったとされています(参照:SATORI「累計導入企業数1,500社突破」(2023))。匿名リードを取りこぼさず育てたいBtoB企業や、初めてMAに取り組む企業に向きます。

BowNow(国産・スモールスタート)

無料から始められるフリープランを持ち、最小限の機能で着手しやすいことを掲げる国産MAです。提供元のクラウドサーカスは、国内のMAシェアに関する自社公表(DataSign社のレポートを根拠とした2023年4月時点の表現)や、累計導入16,000社超という数字を公表しています(いずれも各社公表値・公表時点に基づく、参照:BowNow公式)。多機能さより「まず始める」ことを重視する設計で、MAをスモールスタートしたい少人数チームに向きます。シェアや導入社数はベンダー自称の公表値であり、独立した第三者の検証値ではない点は割り引いて読む必要があります。

List Finder(国産・BtoB特化)

BtoB向けに機能を厳選し、シンプルさを掲げる国産MAです。スコアリングやメール配信、名刺管理連携など、BtoBでよく使う機能に的を絞っており、多機能ツールを持て余しがちな少人数チームでも扱いやすい設計です(製品比較の考え方はList Finder公式も参考になります)。高度なシナリオを作り込みたい企業には物足りない場合がありますが、「使う機能だけを確実に回したい」というニーズには合います。

なお本稿の7製品以外にも、SHANON・Kairos3・b→dash・GENIEE MAなど国産の有力製品があります。比較対象を広げる際は、これらも自社の用途に合うか確認するとよいでしょう。

BtoB中堅・少人数におすすめの選び方

「一番おすすめのMA」は存在せず、自社の状況によって最適解が変わります。前提を整理すると、タイプ別に推奨は次のように分かれます。

  • すでにSalesforceで商談管理をしている: Salesforce Account Engagementが有力です。基盤との連携で導入後の手間が減ります。
  • コンテンツ起点でインバウンドを統合したい: HubSpot Marketing Hubが向きます。CRMと一体で計測の分断が起きにくい設計です。
  • 匿名リードの段階から取りこぼしたくない: SATORIが特徴を発揮します。個人情報取得前の接点づくりが得意です。
  • まず無料で小さく始めたい・MA未経験: BowNowのフリープランや、機能を絞ったList Finderが現実的な出発点になります。
  • 柔軟な自動化を少人数で試したい: ActiveCampaignが候補ですが、リスト増による価格上昇と日本語対応を事前に確認します。
  • 専任を複数名割ける中堅以上で作り込みたい: Marketo Engageが本領を発揮します。

共通する判断軸は、繰り返しになりますが「自社が毎週運用し続けられるか」です。機能表で勝っている製品ではなく、自社の体制で回し続けられる製品を選ぶことが、導入後の成否を分けます。

導入してから後悔しないために、ツール選定より先に決めること

MAツールの選定で失敗する会社の多くは、製品比較より手前で決めるべきことを飛ばしています。ここからはRespectifyの実務視点です。支援の現場で見るのは、ツールを決めてから「で、誰が何のデータをどう使うのか」が宙に浮くパターンです。選定の前に、最低でも次の3つを決めておくことをおすすめします。

  • データ設計: どのリードを、どの項目で、どの粒度で管理するか。ここが曖昧なまま導入すると、後から表記揺れや重複だらけのリストになり、スコアリングもメール配信も精度が出ません。ツールを増やすより先に、この設計とCRM・MAの連携の整理が要ります。連携が乱立して負債化する構造は別稿「ツールの乱立が生む連携負債」で扱っています。
  • 運用担当: 設定する人と、毎週回す人を名前で決めます。兼任でもよいので「不在にしない」ことが肝心です。前任者頼みの設定は、退職とともに意図がわからなくなり塩漬けになります。
  • スコアリング設計: どの行動を何点とし、何点で営業に渡すか。これは製品の機能ではなく、自社の営業プロセスに合わせた設計の問題です。導入後の自動化の組み方は「ワークフローで運用を仕組み化する」も参考になります。

この3つが決まっていれば、どの製品を選んでも運用は立ち上がります。逆に決まっていなければ、どんな高機能ツールを入れても成果は出ません。製品比較に時間をかける前に、ここを社内で詰めておくことが、最も費用対効果の高い準備です。

まとめ

  • MAツールは機能の多さではなく「自社が運用できる体制があるか」で選ぶのが、BtoB少人数チームの鉄則です。
  • 選定の観点はBtoB/BtoC・機能の範囲・運用工数・CRM/SFA連携・価格モデル・日本語サポートの6つ。最重視すべきは運用工数です。
  • 代表7製品は設計思想が異なり、Salesforce基盤あり、インバウンド統合、匿名リード重視、無料で着手など、自社のタイプによって最適解が変わります。
  • 導入後に後悔しないために、データ設計・運用担当・スコアリング設計の3つは製品選定より先に決めておきます。
  • 価格や導入社数、シェアなどの数字は変動・自称が含まれるため、最新は各公式で確認し、自社の用途に合うかで判断します。

自社に合う一台を機能と体制の両面から整理したい場合は、製品選びの前段にあたるデータ設計や運用設計から、マーケティング支援でご相談いただくことが多い領域です。どの製品が自社に合うか迷っている段階でも構いませんので、無料相談からお気軽にお問い合わせください。

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